髪の色だけで「どこの国の人」というイメージをしてしまいませんか?
実は、私たちの髪の毛はふたつのメラニンによって色が決まっています。それは単に黒っぽいとか茶色っぽいとかいうだけではありません。
ブロンドもシルバーも、赤毛も、みんなメラニンの量で決まっています。
もちろん、白髪とはメラニンが全くない髪の毛のことを指すのですが髪の毛のメラニンはどのように決まるのでしょうか?
また、白髪染め剤を選ぶとき考えたいアンダートーンとは?
この記事の内容
日焼けだけじゃない、メラニン色素と髪の色
髪の毛の色は色素であるメラニンの量によって決まっています。
メラニンというと髪よりも肌について使われることが多いですよね?
肌のメラニンは日焼けなど肌のダメージによって作られますが、髪の毛の色となるメラニンはダメージと関係ありません。
髪の毛の色を決めるメラニンにはユーメラニン(真性メラニン)とフェオメラニンの2種類があります。
ユーメラニン
褐色~黒色の色素で黒っぽい髪の毛や肌に多く含まれています。
フェオメラニン
赤褐色~黄色の色素で金髪や赤毛に含まれているほか、肌の白い人はフェオメラニンが多いと考えられます。
ちなみに、アジア系の人はユーメラニンとフェオメラニンがどちらも中くらいの肌をしていますが、肌の色、髪の色、そして目の色となるメラニンの比率がどこも同じとは限りません。
髪の色にはどんな種類があるの?
髪の毛の色は日本人なら黒、欧米人なら金髪というイメージがあるかもしれませんが、髪の色を良く見てみると同じ人種でも個人差が見られます。
大別するとこのような髪の色に分かれます。
黒髪
アジア・アフリカ系に多い髪の色で世界で一番多い髪の色と言っても過言ではありません。
黒い髪はユーメラニンが多く、フェオメラニンは少なめです。
ユーメラニンの量によって真っ黒な人と少し茶色実がかっている人の差が出ます。ヨーロッパでも南側には黒髪の人が少なくありません。
ちなみに、真っ白な動物をアルビノという反面真っ黒な動物をメラニズムといいます。
栗毛
明るい茶髪と言えば栗毛ですね。
栗毛の人は北欧や中東の他、地中海のあたりにも多く存在する髪の毛の色で、肌の色が明るければ日本人でも栗毛の方が似合うこともあります。
栗毛はユーメラニンが少なめで、フェオメラニンが多めです。
ちなみに、馬の栗毛も人間と同じようにメラニンで決まります。
赤毛
全ての色の中で最も珍しいのが赤毛の人です。
遺伝子として赤毛の人はY-DNA「R1b」が起源と言われており、髪の色に関しては突然変異である可能性があるとも言われています。
金髪の人以上にユーメラニンの量が少ないのですが、フェオメラニンは他の髪の色の人よりも多く存在するようです。
また、ひとくちに赤毛といっても赤身が強い人もいれば、褐色の人までいるのも特徴です。
スコットランドやアイルランドなどケルトン民族に見られ、あの「赤毛のアン」も同じ民族のようです。
金髪
金髪と言えば欧米というイメージがありますが実は人口の2%程度です。
そのため、ヨーロッパでもあまり多くはなく、人によっては金髪に染めている人もいます。
金髪は色素が少なく、ユーメラニンはわずかで、フェオメラニンが少しある状態です。
さらにフェオメラニンの量が少なくなるとプラチナブロンドやシルバー、グレー、白髪になります。
黒髪の人に個人差があるように、金髪の人にも黄色みがかっている人と白っぽい人がいるわけです。
髪の色はどのように決まるのか?(遺伝・年齢)
髪の毛の色は遺伝と年齢によって決まります。まず、遺伝は地毛の色を決めます。
今のところ、髪の毛の色を決める遺伝子は2対以上あると言われています。
それによると以下のような表ができます。
栗毛 | 金髪 | |
---|---|---|
赤毛でない | 栗毛、茶髪、ダークブラウン、黒髪など | ブロンド、プラチナブロンド |
赤毛 | 赤褐色、ワインカラー | 赤毛、オレンジ |
しかし、あくまで仮説の段階で、髪の色合いに個人差が出る理由まで解き明かすものではないようですが、黒髪の人から金髪が生まれないのは納得できますね。
そして、年齢でも髪の毛の色は変化します。
これは、金髪の子どもが栗毛に変化していくような理由の良く分からないものと、ある年齢から毛根でのメラニン生成をやめてしまうタイプのものがあります。
後者はいわゆる一般的な加齢現象です。いずれにせよ白髪が増えることは必然と言えます。
毛髪レベルとアンダートーンを知っていますか
見た目のカラーの他、髪の色には毛髪レベルとアンダートーンという二つの概念があります。
まず、毛髪レベルというのは髪の毛の明るさです。
黒に近いほどレベルが低く、金髪に近いほどレベルが高くあらわされます。
大体、10レベルに分類されます。次に、アンダートーンというのは髪の毛の中にある色です。
髪の毛に強い光を当てると色が変わったように見えるのもアンダートーンが見えるからです。
アンダートーンは人によって赤や黄色といったバリエーションがありますが、下地の違うものに同じ色を塗ったとして、同じ風合いにならないのは髪の毛以外にも言えますね。
これらを知ることによって、髪の色を染める際の参考になるようなので、1度美容師さんに自分の毛髪レベルとアンダートーンをお聞きしてみてはいかがでしょうか?
白髪染めする際にもこの基準値を考慮して行われるようです。
まとめ
持っているメラニンによって髪の毛の色が違うことが分かりましたか?
また、その髪の色によって毛髪レベルとアンダートーンというものが存在します。
普段何気なく美容師さんが髪の毛を染めてくれていますが、自分の髪がどのくらいのメラニン量でアンダートーンが何色なのかを把握しておくと自分に合った色を把握できるので安心ですね。
オススメは美容室でいちど見てもらうこと。美容師さんがカラーリングをするときに髪の質やアンダートーンに合わせて自然な仕上がりにしてくれます。