髪はもともと白髪で生まれます。その後、メラニン色素を髪内部の細胞が取り込むことによって黒髪になります。そのため、黒髪を作る際にはこのメラニン色素の存在が重要になりますが、そこに欠かせないのが「チロシン」と「チロシナーゼ」です。今回はこのチロシンとチロシナーゼの関係について解明していきます。
この記事の内容
チロシンとは?
チロシンは黒髪を作る要素「メラニン色素」を生成するのに欠かせないと言われますが、チロシンの正体は何なのでしょうか?
チロシンについて具体的に説明する前に、髪のでき方について簡単に説明します。
髪が黒髪になる過程
髪は、毛根部分が地肌に埋まっています。この毛根部分に毛球というものがあり、毛乳頭と毛母細胞などで構成されています。毛母細胞が分裂することによって、髪が伸びていくのですが、この毛母細胞の分裂によってできた髪は白髪の状態です。
では、黒髪になる理由は何なのかというと、毛母細胞の隣にあるメラノサイトという色素形成細胞からメラニン色素を受け取ることによって黒髪になっていくのです。
このメラニン色素の存在がないと髪は黒くならないのです。
メラニン色素校正に欠かせないアミノ酸の1つが「チロシン」
ご説明したとおりメラノサイトでメラニン色素が作られないと、メラニン色素を毛母細胞が受け取ることができなくなり、髪は白髪のままになってしまいます。
では、メラノサイトではどうやってメラニン色素が作られるのでしょうか?
メラノサイトでメラニン色素を作るには、18種類のアミノ酸が必要とされています。このひとつが「チロシン」なのです。
そして、メラノサイトは、チロシナーゼという酸化酵素を持っています。このチロシナーゼの働きによって、チロシンがメラニン色素に変化することがわかっています。
このようにチロシンだけでなく、チロシナーゼの存在があってこそ、髪の毛の黒色を司るメラニン色素が生まれるといえます。
チロシン不足は白髪の増加につながる?
このようなことから、黒髪にはチロシンという材料が必要不可欠ですが、チロシン不足は白髪の原因になりえるのでしょうか?
チロシンはアミノ酸の一種です。
そのために栄養が不足になると栄養素は生命維持に必要な臓器に優先的に配分されるといわれており、肌や髪は直接生命維持に必要ないことから、後回しにされてしまうのです。
そのため、極端なダイエットなどで栄養分が不足してしまうと肌荒れや髪が傷んだり、白髪になってしまうのです。
このようなことから、白髪にならないためにはチロシンをきちんと摂取することが大切なことがわかります。
白髪を予防する食材
チロシンは必須アミノ酸であるフェニルアラニンが肝臓の中でチロシンに変換され生成されます。
そのため、フェニルアラニンが含まれているものを摂取する方法によっても白髪予防が期待できます。
フェニルアラニンは鶏肉、マグロ、レバーなどに豊富に含まれているので積極的に摂取してみるのもいいでしょう。
また、チロシンが含まれる食材もあり、主にチーズや大豆、バナナ、アボカド、リンゴに多く含まれているといわれています。
チロシンのサプリメントを利用しよう
白髪の予防・改善にはチロシンを摂取することが有効ですが、忙しい毎日で食事をコントロールするのが難しいのも現実。そんな時にはサプリメントを利用してみてはいかがでしょうか?
効果的な摂取や摂取するタイミングなどについてお伝えしていきます。
チロシンの摂取量は2,000mg
白髪を改善させるための摂取量は1日あたり2,000mgとされています。サプリメントを利用する場合は、摂り過ぎに注意しましょう。
効果的な摂取のタイミング、時間
サプリメントの場合は、1日3回に分けて取るのがいいでしょう。一度に多く摂取しても吸収されず、排出されてしまうため効果が薄くなってしまいます。
また、同時にビタミンB6、ビタミンB9を取ると吸収力がアップするといわれています。
そして、チロシンは寝る2時間前がベストといわれています。
髪は睡眠中に作られること、チロシンの血中濃度が最高点になるのは、摂取後2時間だといわれているからです。
その他の方法
また、体がチロシンを用いてメラニン色素を作り出すためには筋トレなど運動もしていくと体の代謝がよくなり、毛母細胞の細胞分裂も盛んになっていきます。
これにより髪のターンオーバーも促進されることになり、白髪も早く改善させるのです。
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チロシナーゼの働きかけも活性化させよう
ご説明してきた通りチロシンはチロシナーゼがあってことメラニン色素に変化します。
このチロシナーゼを活性化ことでよりメラニン色素の生成を活性化させることも意識しましょう。
ではチロシナーゼを活性化していくためには、どうしたらよいのか?
こちらも栄養素が不可欠となりますので以下の栄養素を銅というミネラルが必要不可欠といわれています。
銅を多く含む食材の一部
- するめ
- 牛レバー
- 豚レバー
- ソラマメ
- カシューナッツ
- 大豆
- 納豆
- ゴマ
- ココア
- 抹茶
チロシナーゼを活性化するために、銅(ミネラル)を含む食材も一緒に取るよう心がけるとより効果的でしょう。
まとめ
白髪に関するチロシンとチロシナーゼの関係はいかがだったでしょうか。
白髪の改善にはチロシンが必要ですが、これをメラニン色素に変えるチロシナーゼの働きも必要不可欠なのです。
チロシンやチロシナーゼは栄養不足などによって摂取が不足しがちです。
チロシンが含まれている食品を取るとともに、健康的な生活を心がけてみてはいかがでしょうか?